一期一麺

高槻

高槻で出会う、一期一会の一杯

高槻の街を歩きながらふと立ち寄りたくなる店が「一期一麺」だ。小さな暖簾をくぐると、カウンター中心の居心地の良い空間が広がり、店主の静かな佇まいと麺に向き合う真剣な手つきが印象に残る。派手さはないが、毎日でも通える飽きの来ない味、そしてその日の気分に寄り添う柔軟さがこの店の魅力だ。

まず印象的なのは出汁の香り。店内に立ち上る風味は、じっくりとった鶏と魚介のバランスが取れたもので、塩気や醤油の輪郭が決して鋭くならないよう、すべての要素が調和している。スープを一口含むと、余韻にふわりと広がる旨味があり、飲み干しても胸につかえない軽やかさを持つ。季節や昼夜で微妙に仕立てを変えていることが感じられ、訪れるたびに新しい発見がある。

麺は自家製または店内で丁寧に上げたこだわりの中太麺で、噛み応えと喉越しのバランスが良い。手揉みを行っていることもあり、表面の凹凸がスープをよく持ち上げ、最後まで味が薄まらない。特におすすめの「看板ラーメン」は、澄んだ醤油ベースのスープにチャーシュー、味玉、青ネギ、メンマをシンプルに配した一杯で、素材の良さがそのまま伝わる構成だ。

チャーシューは低温調理で仕上げるタイプと、しっかり炙りを入れるタイプの両方が用意されており、好みに応じて選べる点が嬉しい。低温調理のものはしっとりとした食感で肉の甘みが生き、炙りチャーシューは香ばしさがスープと好対照をなす。味玉は黄身のとろけ具合が絶妙で、醤油ダレの染み込み具合が強すぎず控えめなのに十分なアクセントになっている。

サイドメニューも丁寧だ。小ぶりの餃子は肉と野菜のバランスが良く、焼き目は香ばしくパリッと仕上がる。ご飯ものでは、炊き立てのご飯にそぼろや特製だれをかけた丼が人気で、ラーメンと組み合わせることで満足度がぐっと高まる。夜は一品料理とお酒を組み合わせた軽い居酒屋使いもでき、地元客が仕事帰りにふらりと立ち寄る姿が多い。

接客は気負わず、しかしきめ細やか。カウンター越しに自然な会話が生まれやすく、店主からその日のおすすめや麺の特徴をさりげなく教えてもらえるのも嬉しいポイントだ。店の雰囲気はカジュアルながらも、ひとつひとつの仕事に妥協がなく、食事としての満足感が常に高い。

季節限定メニューにも注目したい。春は山菜を使ったさっぱり系、夏は冷やし系のあっさりメニュー、秋冬は濃厚な煮干しや豚骨を効かせた重めのスープと、季節ごとに表情を変えるラインナップはリピートの動機として効く。限定トッピングや小鉢も工夫が凝らされており、来るたびに違った愉しみを見つけられる。

ロケーション的にも便利で、駅からほどよい距離にあるため買い物帰りや仕事帰りに寄りやすい。店内は決して広くないが、清潔感があり、ひとりで落ち着いて食べたいときにも、仲間と分け合って楽しみたいときにも対応できる柔軟性が魅力だ。

最後に、一期一麺の良さは「日常に溶け込む特別さ」にある。派手な演出や過剰な装飾はないが、素材と技、そして店主の誠実さが毎回揃うことで、食べ手に確かな満足を届けてくれる。高槻で「また来よう」と思わせる一杯を求めるなら、まずは一期一麺の暖簾をくぐってみてほしい。きっとあなたの“いつもの一杯”になってくれるはずだ。

【総評】
期間限定のチキン南蛮うどんをいただきました。タルタルソースの酸味が少し強めだったのでうどんとの相性という点では物足りなさを感じました。次回来店時は定番メニューを注文してみようと思います。
料理: ★★
コスト:★★★
店内: ★★★
一人使い:★★★★
ビール:アサヒスーパードライ

店舗情報
一期一麺
大阪府高槻市城北町1-9-15
TEL: 072-668-5683

営業時間
11:30~15:00/18:00~22:00(L.O. 閉店15分前)
定休日:不定休

アクセス
阪急京都線 高槻市駅 徒歩5分
JR京都線 高槻駅 徒歩10分

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